「先取り信仰」の備え

ファラオはヨセフに言った。「私は夢を見たのだが、それを解き明かす者がいない。････」ヨセフはファラオに答えた。「････神がファラオの幸いについて告げられるのです。････ファラオが夢を二度も重ねて見られたのは、神がこのことを既に決定しておられ、神が間もなく実行されようとしておられるからです。････今すぐ、聡明で知恵ある人物をお見つけになって、エジプトの国を治めさせ、････これから訪れる豊年の間の七年間に食糧を出来る限り集めさせ、････ファラオの管理の下に蓄え、保管させるのです。そうすれば････飢饉によって滅びることはないでしょう。」
                                                           【創世記41章15～16,32～36節】

神による「定期検査」
　新型感染症に関する悲観的な「情報」が、目まぐるしく毎日流されていますが、その殆どが「感染者数(死亡者数含む)」という、マイナス思考に基づく「数字」です。しかもそのニユースは、「恐怖」と「ストレス」を覚える程の内容ですから、はっきり申し上げて嫌気がさします。それに対して聖書の情報(御言葉)は、文字通り「福音(Good News)」、つまり良き知らせです。「今の時」だからこそ、真実の神の「御言葉」が、この世にある如何なる宝石(貴金属)よりも、貴い価値あるものであることを、私たちは言い広めようではありませんか！

　この時代に求められる、重要な信仰のアクション(行動)とは如何なるものでしょうか？それは例えば、如何なる「災い」も恐れずに、大胆に「強い信仰」を見せびらかすことではありません。むしろヨセフの如くに、主なる神から明確な「啓示」を受け取り、その「啓示」に従って、整えるべきこと(もの)を、迅速に備えることです。

　余談になりますが、「車検」という法的整備がありますが、この正式名称をご存じでしょうか？その法的名称は「自動車継続検査」と言い、道路輸送車両法に基づく定期的な車両検査のことです。実は私たちの「信仰」の歩みにも、主なる神による継続的な「定期検査」が必要となります。

　では何故、「検査」を受けなければならないのでしょうか？「私」の人生という車が、主なる神の「助け」、即ち神の定期的な検査(霊的な取扱い)を受けなければ、安心して進み行く(前進する)ことが出来ないからです。それはあらゆる「災い(人生のトラブル)」を未然に防ぐための、大事な整備となります。その為に私たちの信仰の「歩み」には、継続的に神に拠り頼み、神の指示を仰ぐという、霊的「謙虚さ(へりくだり)」が求められます。

　主なる神は今の「苦難の時」に当たり、霊的な「救いの初穂」として、私たちキリスト者を必ず選び召し出し、ヨセフと同様に「啓示」を与え、「滅び」の前に、「救い(脱出の道)」を与える方です。それ故今の「この時」に、私たちは①何を仰ぎ望み、②何を為すべきか？が問われています。そうです！「今こそ、神の良き知らせ(福音)を、私たちの唇を通して、大きく流して下さい！」と、激しく真剣に祈り求めましょう！

　モルデカイはエステルに、厳しく問い質しました。「あなただけが助かると思って、(宮中で)のんびり安心して過ごしていてはならない。今のこの時の為に、あなたの存在があるのです。非常事態の最中にある、全てのイスラエルの民の救いのために、あなたも真剣に祈り、神の正しい啓示を受け取るべき時です。」と。私たちキリスト者も同様です。「今の時」だからこそ、私たちきキリスト者の「真価」が問われています。

解き明かされたファラオの「夢」
　ヨセフは「二年の後」に、遂に牢獄生活から解放されました。ヨセフの人生のキーワードは、神から与えられる「夢(啓示)」です。ファラオが二度も見た「夢」の内容を聞いた時、彼には確信がありました。「神自らが全ての事を働かせて、今回の夢を王に示された！ならば私は、神の次の時(解き明かしの時)を待とう！」と。

　そしてヨセフは堂々と、神からの「夢(啓示)」を解き明かしました。「王様、七の数字は全て七年を意味します。これから七年間に起きること、そしてその後の七年間に起きることを物語っています。最初の七年間は、今までに経験した事のない豊作の時を迎え、全ての民が繁栄を享受します。しかしそれが終わり、その後の七年間は、逆に今まで経験した事のない不作の時になり、エジプトに大飢饉の時が訪れます。主なる神が王様に、この夢をお示しになった理由は、神がこの国を滅びではなく、救いにあずからせるためです。ですから最初の七年間を、緊急の国策として確立すべく、知恵ある者を立てて、すぐにでも長期の備蓄計画を始められることをお勧めします。」と。

　ヨセフの解き明かしは、今の世界的「試練(受難)の時」と、何かそっくりに思えますが、如何でしょうか？私は今の世界的疫病の蔓延は、「その時」への事前の「兆候(しるし)」と捉えています。いずれ来る「大患難」の時(７年間)に、果たして如何なる霊的大飢饉が訪れるのか、私たちは知る由もありませんが、殆どのキリスト者は「携挙」の恵みにあずかります。それ故に、私たちは「今」の有様を三次元的に捉え、あれこれとパニックに陥るのではなく、今こそ「恵み(霊的豊作)の時」として、神の「御言葉(命のパン)」を更に求め、不安と恐怖におののく多くの人々に、神の言葉である「福音」を届ける、重要な務めがあるのです！

　ヨセフにより解き明かされた神の「啓示」は、今の時代にも示される神の「ガイダンス」です。そのガイダンスに従って、私たちは如何なる行動に移るべきでしょうか？前述した自動車の「車検」に合格するためには、「整備(①整え②備えること)」が必要となります。それと同様に、私たちは先ず①整えることです。これは、「在り方」や「生き方」等を再度見直して、次の時の為に変えて行くことです。最近の言葉でよく使用される「行動変容」も、一つの「整える」行動に近い言葉です。次に②備えることです。これは、突然の不測の事態が起きたとしても、決して慌てることが無いように、必要となるものを備蓄(準備、計画)しておくことです。

　このように今の「この時」に、私たちは①何を仰ぎ望み、つまり誰からの指示(ガイダンス)を戴き、そして②何を為すべきか、答えは簡単です。事前に整えるべきことを、神の啓示を通して次々と発信し、「その時」に必要なものを準備しておくことです。例えば今回の「コロナ禍」に対して、台湾の国策の発動は、そのスピード感が他国以上にずば抜けていました。そして「封じ込め」にも成功しています。

　何故でしょうか？日本のトップ(総理大臣)と違って、トップ(総統)自らがファラオの如くに、民間からも直々、ヨセフの如き「知恵者(卓越した者)」を任命し、事に対処させる政治システムを用いているからです。それ故に、トップ(各責任者)が下した「指示」「伝達」等は、国民の全てに速やかに伝わるべく、その対処力の基本は「迅速性」に置いています。

「先取り信仰」の備え
　結論になりますが、「先取り信仰」とは如何なるものでしょうか？これは、私たちが予言者の如くに「未来(先)」を読み取り、その予言に従って信仰行動に移ることではありません！はっきり申し上げて私たちは、「明日」をも正確に読み取ることは出来ませんが、次の点は、霊的に正しく読み取る事が出来ます。それは「私たちは今のこの時の為に、神の器(一人のヨセフ)として、暗闇に真実の光(イエス・キリスト)を灯すべく、召し出されている！」という「神の事実」に従っていることです。

　そういう意味で、私たちキリスト者は「今の時」に当たり、神の言葉である「聖書」から、今後如何にして生きるべきか等、正しく生きて行くための霊的指針を、今から次々と起きる「苦難」の前の時(先)に、第一に①読み解く(霊的に整えておく)、そして御言葉を具体的に説き明かすことで、第二に力強く生きるために、②(必要なものを)準備すること、この二点が「先取り信仰」です。

　そうです！神の御言葉から「知恵(正しい情報)」を啓示して戴き、キリスト者どうしで分かち合いながら、次の時への信仰行動に移っていくことが、私たちの「行動変容」に問われています。信仰行動にも、これからの「あるべき姿勢」が整えられ、その為に備えるべき行動の「変化(造り変えられること)」が伴います。

　それ故私たちキリスト者には、「のんびり」と過ごしている時間はありません。私たちは、この災いの「危機」におののく、多くの人々に神の「福音(Good News)」を速やかに届ける、重要な役目があるのです。如何なる時にも、神の畑(聖書)から「命の収穫物」を掘り起こし、その霊的な「食料」を配達する務めが、私たちには多く用意されています。

　あなたの「準備の時」は、既に始まっています。どうぞあなたが、「福音」の使者として、今こそ神の正しい「指示(啓示)」を仰ぎながら、ヨセフの如くに迅速に信仰行動に移ることが出来ますよう、イエス・キリストの聖名で祝福してお祈りします。アーメン！(2020年4月19日のメッセ－ジ)

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