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命と心の健やかなる成長のために!
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あなたの命と心は、いつも健康ですか?それとも、何かの問題で病んでいますか?
私たちは、そんなあなたの、命と心の健康に気を配り、また命の処方箋を、聖書の「命の言葉」から提供します。

バルナバ掲示板(No.2)

                    帰還できる日を信じて




                     どうかイスラエルの救いがシオンから起こるように。
                     神がご自分の民、捕われ人を連れ帰られる時、
                     ヤコブは喜び踊り、イスラエルは喜び祝うであろう。
                                                                                            【詩篇53篇7節】


 ご存知のように私たち日本民族は、他(よそ)の地(外国)から「帰還する」という歴史が殆どありません。但し沖縄の方々にとって、戦後のある一時期、「アメリカ合衆国」の支配下にあり、言わば「不自由の身(捕われ状態)」にありました故、今回の御言葉は理解し易いものと思われます。


 ところが(私も知らなかったことですが)、福島県民の方々は今も尚、自由に「帰還」できない、即ち「不自由の身」に置かれています。あの東日本大震災による、原子力発電所事故・放射能汚染被害が、福島全体に拡大した為、放射能汚染から逃れるべく、中半強制的に県内の安全地域、もしくは県外へと移住(避難)せざるを得なくなりました。そして今も尚、この状態は継続しており、「居住できない場所が多くある!」のです。


 確かに私たちは、報道番組から流れる「映像」を通して、帰還困難区域や居住困難区域という「言葉」で、ただその「映像」を見る時、「あ-(福島は)未だ未だ大変で、放射能は怖いものだな-」という程度の、一時的な感想(思い)しか持ちません。しかし私たち家族は、今回(2017年11月始め)福島県を初めて訪問し、実際に帰還困難区域の「現実」を目の当たりにした時、それまでの「思い」を一変させる程の、驚愕すべき光景(リアルな事実)を見ることになりました。


 事故のあった原子力発電所周辺に近づいて行けば行く程、市街の活況がなくなり、通りを歩く人々の数も殆ど無く、自動車の交通量は極端に減ります。ただ通るのは大型の工事車両のみ。そのような状況(現実の姿)を見ますと、「事実というのは、実際に見てみなければ、いつまでも分からないまま!」であることを実感させられました。


 これは神が示して下さっている、私たち日本人キリスト者に対する、一つの「啓示」です。つまり「事実を正しく知り、日本の救いのため、特に福島の真の復興(全面的帰還)に対して、神に真剣に祈り求めるべき!」ということです。今回の大震災被害は、決して「東北地域」のみに起こったことではなく、私たち日本人が神の「憐み」を忘れたとしたら、どの地域においても、いずれ起こり得ることではないでしょうか。


 さて今回私たち家族が、自動車で通行した福島ル-トは、磐越自動車道「船引三春IC」を降りて、国道288号線から太平洋側に至る、通称「都路街道」でした。その街道を運転して行く中で、私たちが最初に思わされたことは、田村市周辺までは活況があったのですが、コンビニが次第に少なくなったことです。


 そして次に、田舎の風景特有の田園地帯と、農家屋敷が多くあるのですが、昼間の時刻にも関わらず、人の気配が全く無い!ことに気付かされました。田村市を抜けて、いよいよ双葉郡に入りますと、それは高地から海岸線まで下り坂が続くル-トになります。それまでは結構、普通自動車の交通量があったのですが、遂に前を行くのは一台の自動車と、その先を行く大型10tダンプのみ。当然登って来る対向車も無い訳です。


 暫く走っていますと、あるボランティア・グル-プの如き、地元の人々(後で分かったことですが、彼らはスクリ-ニング検査に携わる方々です)が集まって、何かをしているのが目に映り、「はて、何かイベントでもあるのかな?」と思い、そのまま通過して行きますと、数分もしないうちに、今度は大型車の渋滞にぶつかり、徐行を強いられました。「復興事業で、建設現場に向かう工事車両だから、まあ仕方ないや!」と、勝手に推測をしながら、とあるT字路に着いた時、道路が封鎖されている「事実」に、ようやく気付きました。


 当初、私の描いていた「計画」では、このT字路を北進し、浪江町から南相馬へ向かえば、原発から離れた地域に行けるものと、勝手に予想していました。そうすることで、安全(放射能汚染は避けられる)が担保されるだろう・・・・と。


 「え!こんな所で、早くも封鎖されるなんて・・・・」と思い、通行許可証を提示する大型工事車両を横目に、私は他のル-トを目指しました。先ず東進ル-トを目指しましたが、すぐにもバリケ-ド封鎖があり断念。次は南進ル-トで大熊町を目指し、暫く運転していますと、全ての住居がゲ-トで囲われてあり、最初「盗難対策」と思いましたが、妻が「あなた!もしかしたら、ここは居住困難区域では?」と問い質してきましたので、自動車を一旦停止させました。「言われてみると、そうだな-。カラス一羽も飛んでいないし・・・・」


 その瞬間、もと来た道を引き返しました(後で思わされたことですが、決して車外に出たり、車の窓を開けなくて良かった!と)。福島の旅行を終え、今朝方インタ-ネットで調べましたら、私が計画していた「北進ル-ト」は、放射能汚染の「レッドゾ-ン地域」である!ということで、無知なまま運転計画をした、愚かな家長である自分を恥じました。


 そして今朝方、インタ-ネットの地図を見て、更に驚愕した「事実」は、仮に「東進ル-ト」が封鎖されていなく、そのまま東進したとしたら・・・・。実は私たちが、八方塞がりにあった地点は、原発から「半径15km圏内」であったということで、今思えば身震いします。


 続いて私は、具体的な福島県の「帰還困難区域」の情報を、インタ-ネットで調べましたところ、原発周辺の区域としては、田村市だけが完全に帰還できる地域で、3,341人(市の人口の内8%)が田村市に戻り(帰還し)、再び居住生活を営んでいます。


 しかし原発に一番近い、「双葉町」「浪江町」「大熊町」などは、ほぼ全住民が未だに帰還できません。と言うことは、今も尚これらの区域は、居住できない状況下にある!のです。双葉町6,940人、浪江町20,722人、大熊町10,566人の方々が、帰還したくても帰還できない訳です。


 覚えて戴きたいことは、彼らは自然災害等によって、一時的に避難しているのでは無い!という点です。ところが今回の原発事故に関しては、いつ終息(収束)するのか分からない、「死(放射線)」の恐怖が蔓延し続けています。放射線は見えない物質だけに、中々感じ取ることが出来ませんが、「事実」としては絶対的な居住制限(禁止)状態が、10年~50年、更には100年後まで続くのです。


 さて、急いで都路街道の帰路を運転して行く最中、比較的安全な田村市に入りましたので、とあるコンビニ店(ファミリ-マ-ト田村都路店)に立ち寄りました。原発から約45km地点にありますが、決して放射線ゼロではありません。レジにおいて妻が、たまたま店員さんと立ち話をしたところ、「ここも安全とは言えません。しかし私たちが、出店限界のこの店で営業している理由は、ここには店(ス-パ-等)が全く無いからです。ですから地元の方々や、工事関係者の皆様に、商品を提供し続けています。営業場所としては、(安全が)ギリギリですが、商品に関しては安心して下さい。」と、真摯な対応(接客)で語って下さいました。


 行って実際に見なければ、見えてこない「事実」、それが福島の「現実」です。マスコミから流布される、数々の復興に関する「情報」のみを見ていたら、「福島も次第に回復しつつある。」などと、傍観者の如き「関心」を抱くだけです。しかし「事実」は、未だ帰還できない区域があるのです!帰還したいところですが、その前に物凄く巨大な、見えざる「死の壁」が立ち塞がっているのです。


 だからこそ私たちは、必死に神の「憐み」を求め、福島の方々のために執り成して祈りましょう。彼らは決して、「失われた(見捨てられた)民」ではありません!彼らが歴史的に被った辛い、苦しい、悲しい、その様々な歩みの全てを、完全に拭い去る程の神の「憐み」が、神の真実の「救い」として現れ出る、即ち「帰還できる日」が早められるよう、私たちは遠き関西の地にあっても、ことわる度に祈り、執り成して行くつもりです。


 「死」の危険と隣り合わせで、通行許可証をチェックする警備員、復興事業に従事する建設作業員、また「放射能汚染」を、各地で検査し除去するスクリ-ニングのスタッフなど、彼らの「現実」の姿が、脳裏に焼き付いて、祈らざるを得ません。避難している福島の方々が望んでいること、それは「(いつか)ふるさとに帰る!」ことです。


 「日本」という国が、今後どうなっていくのか、見当も尽きませんが、今こそ私たちキリスト者が、「帰還できない人々」のことを、常に意識しながら、彼らの真の「救い」を祈り求めるべき時です。どうか「福島(会津)」のことを日々執り成し、帰還できる「その日」が、必ず来ることを信じて祈り続けましょう!


 私たちは、決して「帰還できない(捕囚の)民」ではなく、「帰還できた民」として、明確に証言できるキリスト者です。主イエス・キリストの豊かな「憐み」が、皆様と共にありますように!そして福島(最前線)にあって、一生懸命に働いておられる、牧師(神父)や宣教師の先生方、また信徒の皆様方の上に、父なる神の「平安(休息)」と「慰め」が、今日も豊かに注がれますよう、主イエス・キリストの聖名で祝福してお祈りします。アーメン!(2017年11月5日のメッセ-ジ)


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