神が用いて下さる器の資質
 

 
主はヨシュアに言われた。「今日から、全イスラエルの見ている前で、あなたを大いなる者にする。そして、私がモーセと共に居たように、あなたと共に居ることを、全ての者に知らせる。あなたは、契約の箱を担ぐ祭司たちに、ヨルダン川の水際に着いたら、ヨルダン川の中に立ち止まれと命じなさい。」
                                                                                                     【ヨシュア記３章7～8節】
 
祈り
　私たちの愛する主イエス・キリストが、全知全能なる神として、私たちを完全なる者として造り変えて下さり、また聖なる者として仕立てて下さることを信じます。
 
　主よ、あなたは癒し主、完成者として、私たちを偉大なる神の器として、ねんごろに取扱って下さる、その数々の恵みを覚えて感謝します。私たちは自分を見る限りは、優れた器とは言えません。欠けたところが多々あり、人が見捨てたような器かも知れません。しかし主よ、あなたは豊かな「命の言葉」をもって、私たちを有用な器として、神の宮の貴い建材として選び召し出すべく、豊かな恵みを注いで下さっていることを感謝します。
 
　主よ、どうぞあなたの御子イエス・キリストが、私たちの不完全な部分に、聖なる救いの光を、日々投げかけて下さいますように！私たちが不完全であるが故に、あなたは大いに誉め讃えるべき方、私たちが弱い器であるからこそ、あなたは偉大なる神であることを感謝します。
 
　私たちの救い主、イエス・キリストの御名こそが、偉大なる御名であることを覚えながら、霊と真による礼拝をお捧げします。あなたの聖なる御名が、高らかに讃えられますように！主よ、どうぞ私たちを日々砕いて下さい！聖なる器として仕立て、完成して下さることを信じます。
 
　あなたの御前にあっては、私たちが不完全な者であることを感謝します。しかし、あなたの聖なる油が、その不完全な部分に注がれる時、有用な器として神が用いて下さることを今、信仰の言葉をもって、主イエス・キリストの御名で祈り宣言します！
 
神が求める「偉大さ」
　今回の御言葉のキーワード、それは「大いなる(偉大なる)」という言葉です。私たちにとって「偉大さ」と聞いた時、それは三次元的に誘惑(魅惑)となるイメージであり、霊的には私たちが、更に奥深く極めなければならない、霊的次元の言葉です。
 
　偉大なる者(器)のイメージに関して、この世の人々は「才能に長けた、弁舌にも秀でたカリスマ的指導者(政治家)」を連想します。そのような指導者は、大抵「自己像」を大きく強調することはあっても、卑しく(小さく)表明する者は皆無です。
 
　イエス・キリストの場合は、どう「自分」を現していたでしょうか？ヨシュアに導かれたイスラエルの民は、「ヨシュア」こそが、偉大なる器であることを、当然の如くに知っていました。しかしヨシュア本人は、自分がその器に足る人物ではないことを、謙虚に受け留めていました。
 
　主なる神が、リーダーに足る者として命じられる言葉、それは「私があなたを、偉大なる者に仕立てる！」ことです。ですから神は、人々に認められるような「偉大なリーダー」にするとは、決して語られていません。神ご自身が「あなた」を、偉大なる器と仕立てると言われた場合、それは「あなた」が(他の人よりも)優れていることを、証明するために語られたものでは無いのです！
 
　では何のためでしょうか？それは主なる神が、常にモーセと共に居たように、「あなた」にも共に居ることを見せるためです！と言うことは、誰が「主役」であるかが、この言葉から分かります。主なる神が「(取るに足らないと思える)あなた」と共に居ること！それが「偉大さ」の証明です。そうです！主なる神が「インマヌエルの神」として、親しき交わりをもって、常に「あなた」の傍らに居て慰め励まし、天よりの力を与もって、如何なる川の深みにあっても、常に手を取り導く神なのです。そして主なる神が、常にあなたと共に居る限り、あなたは溺れ死ぬことはありません！
 
イエス・キリストの「偉大さ」に倣う
　偉大なる神が常に私たちと共に居ます！こと、これだけで私たちは「偉大なる器」なのです！あなたは、この単純な「真理」を信じることが出来ますか！私たちが、何か偉大なる宣教(伝道)の業を為したから････、偉大なる「賜物」を持っているから････、素晴らしい奇跡を起こしたから････、これらが「偉大なる」ことの証明ではありません。私たちが霊的に取り違えてはならない、イエス・キリストが求める「器像」、それは「ご自分の生き方に倣う者」です！
 
　イエス・キリストは、如何なる生き方を全うされたのでしょうか？弟子たちからすれば、「我こそは、偉大なる(ローマからの)解放者(救い主)なり！」と言って欲しいところでしたが、イエス・キリストは徹底的に、「自分(その名)」を低く(卑しく)して、神の愛を全うするべく、人々に仕え続けました。私たちは「偉大さ」の正反対である、この「卑しさ」を忌み嫌い(敬遠し)ます。しかし「自分」を捨てて、人々の「救い」のために生きる時、それは霊的な「卑しさ(へりくだり)」を伴うものです。
 
　「主の前にへりくだりなさい。そうすれば、主があなた方を高めて下さいます。」(ヤコブ書4章10節)これは神の不思議な法則です。口先で「へりくだる」ことは簡単です。しかし「私(あなた)」が、高められれば高められるほど、へりくだりではなく「高慢さ」が増します。その時に聖霊様は、「もっと自分を低くしなさい。自分を隠しなさい。そうすればイエス・キリストが、(あなた)より豊かに現れ出ます」と叱咤されます。その結果、イエス・キリストにある「あなた」が、霊的に高められる(イエス・キリストの身丈に近付くこと)のです。
 
　私たちは最初から、霊的に素晴らしい「偉大さ」を有している訳ではありません。どちらかと言えば、私たちには優れたところが、「何」一つありません。父なる神が、常に「あなた」と共に居て下さること、これが「偉大さ」を証明する唯一の方法です。つまり私たちには、練られて行く「品性」が多くあるのです。
 
神が用いる器の資質
　私たちは霊的に、硬くて「醜い岩」の如き器です。しかしイエス・キリストが、そのような「私(あなた)」を拾い上げて下さる時に、聖霊様が余分なところを削ぎ落として下さり、遂には「偉大なる器」へと完成して下さるのです。「その時」には、「私(あなた)」は「小さな欠けた器」の如き状態かも知れません。
 
　イエス・キリストの場合、「欠けた器」から偉大なる御業を現すことは、いくらでも為される方です。イエス・キリストが、「完成」と見なされる器、それは悔いた砕かれた魂のことです。その悔いた砕かれた状態の中には、「私の名」は死んで存在しません。そうです！私たちが「イエス・キリストの花嫁」であること、これだけで十分です。私たちが取るに足らない器であっても、「イエス・キリスト」故に、その十字架の贖いと復活を通して、私たちを「死」から「命」へと移し、永遠に共に居て下さること、これが神が用いる器の第一の資質です。
 
　そして第二の資質は、神の「ご命令」に対して、愚直すぎる程の従順さです。神が「(川の中央で)止まれ！」と言われたら、疑う(そして恐れる)こと無く真摯に「止まる」のです。ヨシュアは確かに「人望」がありました。優れた指導者モーセの弟子ということで、非常に優れた訓練の時が与えられました。しかしモーセは、彼に対して常々「神の前に、断る度にひれ伏し、自分を低くしなさい。私の場合は、かつて傲慢な者であったから。あなたに誇るところは一つも無い！ただ神の恵みだけが、あなたを偉大にする！このことを決して忘れてはならない。」と、叱咤激励の言葉を与え続けました。
 
　神の「救いの時」が、いよいよ間近に迫って来ている、今の時代にあたり、私たちは騙されることがありませんように！神が用いて下さる「器」とは、徹底的に「私(自己)」に死に、イエス・キリストの「御名」のみが、高らかに崇められることを求める賢い乙女、即ち真の礼拝者です！ならば私たちは、単純に「その時」に備えて待ちましょう！主なる神が、聖霊様の導きを通して、あなたの信仰を豊かに励まして下さいますよう、主イエス・キリストの聖名で祝福してお祈りします。アーメン！

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