この世の流れから贖われ出よ！

････彼は杖を振り上げて、ファラオとその家臣の前でナイル川の水を打った。川の水はことごとく血に変わり、川の魚は死に、川は悪臭を放ち、エジプト人はナイル川の水を飲めなくなった。････エジプト人は皆、飲み水を求めて、ナイル川の周りを掘った。ナイルの水が飲めなくなったからである。
                                                                                               【出エジプト記7章14～24節】

神の「予告」
　ご存知のように私たちの生きる時代は、非常に「混沌」とした状態にあります。この先、一体何が起きるか分からない程の、混沌とした時代の中にあっても、私たちは「確かな証拠」を掴んでいます。それは「イエス・キリスト」という救いの杖です。それ故、私たちの信仰の手に託された、神の「救いの杖」を大胆に用いることが、今日に生きる私たちキリスト者に、求められているのです。

　神の「救いの時」が始まる前には、必ず何らかの「予告(事前命令)」があります。ところで「予告」とは、予め告げ知らせることです。それは必ず「その通りになる(事が起きる)」からです。それに対して「預言」とは、あくまで「兆し」的な通知のことです。その「預言」がどうなるかは、神の「領域(御手)」の中にあります。

　ですから「予告」の場合は、いよいよ最終段階に入り、神の「御心」を実現ならしめるべく、神が選び召し出した人々に対する、確実な「告知(命令)」に相当します。「その時」に私たちは、この神の「予告」に対して、素直に従順する必要があります。

　今回の神の「予告」は、エジプト人にとっては、確かに「災い」であり、とても絶え難き「出来事」です。今まであった飲料水(ナイル川)が完全に尽きる、即ちナイル川の「水」が「血」に変わり、暫くすると腐敗臭がエジプト全土を覆うことになった訳ですから････。

　私たちキリスト者も、これから予期せぬ「出来事(災い)」に、次々と遭遇することでしょう。しかしそれらは、神が私たちを懲らしめる為に与えるものではなく、事前に必ず何らかの「予告」を与えることで、私たちがそれに気付き、聖霊様を通して、神の「御心」に沿う生き方を貫くためです。

　父なる神の「予告」のパターンには、必ず「リズム(一定の決まり)」があります。例えば「悔い改めよ！さもなくば････」、「神に立ち返りなさい！そうすれば････」などの御言葉に見られるように、それは必ず「従順」する場合の祝福と、不従順(反逆)する場合の呪い(滅び)の、二択(二通りの道)を用意していることです。

「神の国」の流れに生きる
　父なる神の「予告」を携え、エジプト王の前に出たモーセとアロンは、純粋に神の「予告(ご命令)」を、ファラオ(世の君)に伝えました。覚えて戴きたいことは、「この世」と「神の国」は、決して交わることの無き、相対立する概念(世界)です。確かに私たちキリスト者は、「この世」に生きていますが、だからと言って、「この世」に属しているのではありません。

　私たちは、神の「聖霊」の次元に導かれて生きる、「神の国」に属する者である！こと、これを常に覚えて下さい。「この世」の王(君)は、様々に「あるもの」をもって、私たちを霊的に縛ろうとします。「あるもの」とは、この世の「流れ」のことです。どのような「流れ」でしょうか？それは「世界情勢」という流れや、「世界経済」の流れ、或いは様々な「社会」の根底に流れている、人間が造り上げた「システム」など、多岐に渡る流れのことです。

　しかし、私たちが仕えるべき「お方」、それは「王の王」であられる方、永遠の主イエス・キリストであり、私たちは霊と真をもって、イエス・キリストにひれ伏し、心から仕えている神の民です！また神の家族の一員(聖徒)です！そうです！私たちは決して、この世の奴隷ではありません。

　「神の国」は、この世の流れの次元の中には、決して存在しません！イエス・キリストが、弟子たちに語られたように、それは私たちの「霊」の只中にあるものです。ですから私たちの「霊」が、聖霊様による麗しい聖い流れの中に、霊的に浸され続けなければ、すぐにもサタンが「この世」という流れを、持ち込もうとして来ます。それ故聖霊様が、今回モーセに助力したアロンの如くに、いつも私たちの傍らに居て下さり、「この世の流れから、いつも贖われ出なさい。この世的な計算から、解放されなさい！あなたの目の前にある、現実(エジプト)に捕われるのではなく、あなたの先(前)を行かれる、イエス・キリストにのみ、付き従っていくことを求めながら、神の国の次元に生きなさい！」と励まして下さいます。

　「神の国」の流れとは、「渇いている者は来るがよい。命の水が欲しい者は、価無しに飲むがよい。」(黙示録22章17節)という、「永遠の命」に至る、聖霊様によるリビング・ウォーターの流れのことです。「この世」の水の流れ、それは「はいお客さん、一杯〇〇円です！」と持ち掛けるなど、必ず「代価」を要求してきます。しかし、イエス・キリストが与える「命の水」は、欲する者に対して誰をも拒まず、無代価で惜しみなく与えられる、尽きることの無い「神の国」の流れです。

残された「命の水」を求める
　モーセを通して語られた、父なる神の「予告」に反抗したエジプト人は、「命の水」が無くなった結果、次々と倒れ死んでゆきました。「エジプト人は皆、飲み水を求めて、ナイル川の周りを掘った。ナイルの水が飲めなくなったからである。」(24節)実は、この御言葉の記事の中に、隠された「神の事実」があります。それは具体的に、「〇〇〇人死んだ」という記録が無いことから、浮かび上がって来ます。

　この記事から見えることは、何とエジプト人が「見えざる事実」を求めて、必死に行動している点です。覚えて戴きたいことは、彼らにとって「ナイルの水」は、母なる神と崇める程の、「潤いの源」であったことです。その「水」が絶たれたことで、彼らは逆に目に見えざる領域へと、飢え渇き始めたのです。即ち「天」を見上げれば、「天の水」が降り注がれ、そして「地中」奥深くには、一生懸命に掘れば掘る程、最初は何も見出せなくとも、いつかは「地下水」が湧き出ることを。私たちキリスト者も同様に、この原則を知っています。それ故に彼らの中には、モーセの「言葉(神の言葉)」を信じて、悔い改めた者もいたのではないでしょうか。

涸れた谷に鹿が水を求めるように、神よ、私の魂はあなたを求める。神に、命の神に、私の魂は渇く。
                                                                                                               【詩篇42篇1～2節】

　「世の君」が様々な流れをもって、私たちの「霊」を支配しよと試みてきても、また現状が「干からびた状態」にあったとしても、「世の水」を求めることがあってはなりません。そうです！涸れた谷の中にあっても、鹿が絶えず水源を掘り求める如くに、私たちも聖霊様が与えて下さる、真の「命の水」を慕い求めましょう！

　何度も強調しますが、私たちは「この世」に属する者ではありません！「神の国」の次元に生かされている者です。そして「神の国」から、「この世」に遣わされている神の大使です。即ち、いつ如何なる時にも、神の「御顔」のみを仰ぎ求め、如何なる状態の中にあっても、「命の水」を与えて下さる聖霊様に依り頼むこと、そして私たちを通して真の「命の水」が、「この世」の中で、霊的に縛られている人々を解放すべく、「神の言葉」を大胆に予告し(告げ知らせる)ていくなど、私たちには聖なる務めがあるのです！「この世の流れから、皆さん！贖われ出ましょう！命の水を求める者に、価無しに与えて下さる、主イエス・キリストのみを仰ぎ求めましょう！」と。

　モーセの如くに、神の「救い」という杖が、私たちにも与えられています、この神の「救い」の杖をもって、「この世」の流れに対して、信仰をもって力強く打ち叩きましょう！イエス・キリストの豊かなる「救いの時」が、あなたの信仰生活の中に益々現され、聖霊様による「命の水」の流れが、あなたの信仰の唇を通して、更に「この世」の流れに縛られて苦しむ人々を、霊的に解放(救出)して行きますよう、主イエス・キリストの聖名で祝福してお祈りします。アーメン！

「祈り」
　主よ、この日(主の日)は、あなたが復活された、神の大いなる救いの日です。私たちの手にも、この復活の力(救い)が託されています。主よ、私は今、モーセとアロンの如くに、あなたの救いの杖を受け取ります！

　私たちが、あなたの大いなる救いの働きに召し出された者として、今起きている様々な出来事に対して、三次元的な肉の眼で捉えるのではなく、見えざる神の大いなる「事実」の中に、私たちの「霊の眼」が見ることが出来ますように。

　私たちの信仰を、相働かせて「益」として下さる、父なる神にのみ、望みを置くことが出来ますよう、私たちの信仰を今、聖めて下さい！

　イエス・キリストの十字架の血潮を、私たちの信仰に今注ぎます！

　イエス・キリストの豊かなる命の御業が、力ある御業として、私たちの唇、信仰、そして日々歩む歩調(ペース)、私たちの手に取る信仰の行動全てに現されることを、主イエス・キリストの御名によって、今信じてお祈りします。
アーメン！

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