寝ているとは何事か！

船長はヨナの所に来て言った。「寝ているとは何事か。さあ、起きてあなたの神を呼べ。神が気付いて助けてくれるかも知れない。」さて、人々は互いに言った。「さあ、くじを引こう。誰のせいで、我々にこの災難が降りかかったのか、はっきりさせよう。」そこで、くじを引くとヨナに当たった。
                                                                                                              【ヨナ書1章6～7節】

聖霊様の「問いかけ」
　今回のタイトルは、船長がヨナに対して問い質した言葉ですが、実は聖霊様が私たちに対しても、優しく問いかけたものと同様のものです。主なる神は、私たちが「この世」ことで疲れ切って、霊的に眠りこけた状態にあることをご存知です。しかし、それでも尚聖霊様は、か細い御声をもって、イエス・キリストの御言葉を語り伝えます。「私の前に来ておくれ。私の愛する花嫁よ！私はあなたに対して、父なる神の大いなる御心を示したいのだ。この世からわざわざ、あなたを選び召し出した贖いの計画は、今も尚継続している！さー、まさに今、神の時に立ち返っておくれ！」と。

第一の奥義
　実は「唯一の道」というイメージをもって、今回の御言を読み直しますと、第一の奥義が浮かび上がってきます。ヨナは確かに、主なる神が定めた「正しいルート」が、「一つの道(ルート)」しかないことを知っていました。そして父なる神が自分に定めた「ゴール」は、ニネベ以外にあり得ないことも。つまり自分が、如何なる迂回ルートを選択したとしても、最終的には「ニネベ」という、神の定めた「ゴール」に導かれる！ことを覚悟していたのです。

　それ故に彼は、いつも「一つの道」を思い浮かべざるを得ませんでした。イエス・キリストの歩まれた「道」も同様でした。全ての人々の「罪」を贖うための、唯一の生贄として屠られる場所、つまり最終「目的地」が十字架であり、十字架上の死であることを、イエス・キリストは常にイメージしていました。つまり、父なる神の「御心」に対して完全に従う「道」は、二通り、三通りのものではなく、たった一つしかない！ことを、イエス・キリストは覚悟して生きていたのです。

　私たちの場合は、どうでしょうか？「この世」のルートを築くべく、幾通りにも様々な道を設けながら生きようとします。何故なら、私たちは二番目の道、三番目の道、四番目の道が無いと安心できないからです。ところが父なる神の「ご計画」は、イエス・キリストを通して唯一の道を設けることであり、あなたに対する神の「ご計画」も、唯一のものです！それは、イエス・キリストの花嫁として、イエス・キリストの栄光ある輝きの中で、造り変える(似せる)という「ご計画」です。私たちは、この神の大いなる「御心」を、すぐに忘れるという「罪」があるのです。

　それ故に私たちは、父なる神に喜ばれようと必死になって、「己の道」を完成することに奔走し、あたかもそれが神の｢御心」である！と錯覚する傾向にあります。覚えて戴きたいことは、父なる神が一人一人に対して、用意される「ご計画」は唯一のものであり、行き着く「ゴール」も唯一である！という点です。そういう意味で、この時の「ヨナ」は既に知っていました。自分がタルシシュ行きの船に乗ったところで、いずれは神の御手に捉まれ、「ニネベ」に連れて行かれることを。それ故に彼は、大嵐になった危険な状態の中にあっても、堂々と船底で眠っていたのです。

　すると船長が、ヨナの寝ている部屋まで降りて来て、「寝ているとは何事か？我々は全員で、それぞれの神々に奇跡を求めて祈った。それなのに何も起こらない。もう後は、お前の祈りだけにかかっている。それなのに何だ！お前は寝ているではないか。さー起き上がって、お前の神に祈りを捧げておくれ。」と懇願したのです。

第二の奥義
　さて、突然に寝た状態から呼び起こされたヨナ、ここに父なる神の麗しい「ご計画」が始まっています。彼は眠気眼(まなこ)で、例えば「あー船長、いい気持ちで寝ていたのに････。どうして起こしたのですか？」などと言って起きた訳でもありません。彼は、あることを覚悟していました。「遂に来たか！とうとう主は船長を遣わして、私のところに導いたのか！」と。そして遂に彼は、神の前に降参したのです。

　ところでヨナが寝ている状態とは、霊的に「神の時」に入る動き(Action)のことを指しています。そして今回の寝ている状態から、突然に呼び起こされた時、ヨナが悟った(降参した)ことは、霊的に「神のコールに聞き従う」姿勢に入る動きのことです。その証拠に、船長は何とヨナに対して「お前の神に呼び頼んでおくれ！」と懇願しているからです。普通でしたら船長(トップの立場にある者)は、「災い(トラブル)」の元凶を、末端の「名」も無き「力」も無き弱者に転嫁して、元凶そのものを海に放り込むなどして、始末しようと試みるはずです。

　ところが、船長は聖霊様に導かれながら、ヨナに対して逆に「とりなしの祈り」を願い出た訳です。その瞬間にヨナは、「分かりましたー！そうだ、この愚かな私を通しても、この場に父なる神の麗しいご計画が用意されている。まさしく今、船長が語った言葉は、父なる神のご命令だ！だったら私は、神に信仰をもって呼ばわろうではないか。」と。即ち「呼び起こされる」という言葉は、父なる神の私たちキリスト者に対する、「召し(コール)」の確認です。そうです！神の「コール」は必ず、「神の時」に来るのです。「その時」に私たちは、「あ！遂に始まった。私はこの時を、今か今かと待っていました。」という姿勢が大事です。

あなたの「名」がコールされる時　
　そして「運命の時」が来ました。船長は、各自の「名前」が記された札の入ったくじ袋から、たった一枚を引きました。すると、その一枚の札に記された「名前」、それが「ヨナ」だったのです。もうこの時にヨナは、「万歳！」どころか、神の前に「主なる神はこの私を、完全にキャッチしておられる。逃れようも無き、神の麗しいご計画の中に、この私の名前が呼ばれた(指名された)以上、私はあなたに全てを委ねます！」と、両手を神に挙げた(ギブアップの姿勢)のです。

　そうです！私たちの主なる神は、直接私たちの「名前」をもって呼んで下さる程に、慕わしいお方なのです。あなたの「名」を神の「ご計画」の中で、前もって命名した方(主なる神)は、片時もご自身の「思い」の中から、あなたの「名」を決して忘れ去っていません。そして、あなたの「名前」を呼ぶことで、神の「ご計画」を始められた以上、あなたの「名」は、神の麗しい「契約書」のサインの如くに、働き始める(効力を発揮する)のです！

　その「契約書」によって私たちは、「何」を証明すべきでしょうか？実はヨナを通して、世界の中心都市「ニネベ」が、神がコールしたヨナという名前をもって、「救い(贖い)の時」が、完成の途に至ったのと同様に、あなたの「名」を呼ばれる主なる神は、「あなた」を通して「イエス・キリストこそが、真の救い主である！」こと、即ち「唯一の道」がイエス・キリストであることを、聖霊様の導きによって証明されるのです。

　ヨナが当初、一番に「恐れ」を抱いた対象、それは「ニネベ」を霊的に支配する、悪霊の勢力でした。しかし、父なる神は再びヨナに対して、船長の申し出を通して証明されました。それは「唯一の道」、「唯一の方法」、「唯一の聖所」、それら全てが神の「御心」によって成就される！ことを。彼は「ニネベ」に至る唯一の道を避けて、別のルートを選択しました。しかし、結局は神の「御心」によって、「正しい道」へと連れ戻されます。

　そうです！私たちは父なる神によって、自分の「名前」が呼ばれた時から、神の「ご計画」から逃れることの出来ない、神の「恵み」に組み込まれるのです！しかしそれは、「ニネベ」を霊的に束縛し続ける、悪しき邪霊の如きものではなく、イエス・キリストを「唯一の生贄」として屠った、父なる神の「熱情の愛」から来るものです！

　････それ故に聖霊様を通して、父なる神は「あなた」に問い質しているのです。「寝ているとは何事ですか？私があなたを選び召し出したのは、あなたが考えているような、小さい次元には無い！私があなたの名前を呼んだ以上、あなたを通して、あなただけにしか出来ない神のご計画を、滅び行くこの世の中で証明したいのだ！だから、もう眠り続けてはなりません！再びイエス・キリストの元に立ち返り、祈り求めなさい。イエス様との親しい交わりに入りなさい！そうすれば、世のことを恐れるあなたにではなく、父なる神、御子イエス・キリスト、助け主聖霊様のみを畏れかしこみつつ、従い続けることの出来るあなたに、上よりの聖なる力が増し加えられます！」と。

　神の「コールの時」は、いつ如何なる時にも、私たちの前に用意されます。「その時」に、私たちが神の「コール」の御声を、決して聞き逃すことが無きように！主イエス・キリストは、まもなく来臨されます。そして「その時」に、私たちキリスト者が乗船する「エクレシア号」は、世界的な経済の大嵐の中にあっても「唯一の道」、即ちイエス・キリストによる麗しい救いの「ご計画」が、世界中に満ち溢れ「イエス・キリストこそが、他の神々に優って、麗しい真の神(救い主)である！」と証明する、天上の「権威」と「機会」が、もう目前に待ち受けているのです。

　主イエス・キリストの豊かな愛の「取扱い」と、聖霊様による「コールの時」が、あなたの日々の信仰生活の上に豊かに現されることを、主イエス・キリストの聖名で祝福してお祈りします。アーメン！

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